『眠る村』
『眠る村』観て来ました。中3娘に「こわいからいやだ」って逃げられたので一人で。ちぇっ。
名張毒ぶどう酒事件。あまりにも有名な、冤罪を疑われている事件。犯人とされた奥西勝元死刑囚は、何度も再審請求を拒まれながら89歳で無念の獄死。この映画は事件から57年経った昨年、制作されたドキュメンタリー映画です。
山奥の村で何があったのか。カメラはひたすら人々の話を追う。娘を亡くした人、姉を亡くした人…当事者は皆年寄りで、その語りの中で「奥西の逮捕はおかしい」と言うのは、村から少し離れた立場の人だけ。
奥西が逮捕されてから、村人達が一斉に奥西に不利になるよう証言を変えたという。何故変えたのか。マイクは追求するが村人は「もう覚えとらんねえ」と語るばかり。
「あと五年、十年するとあの事件を覚えている者は誰もいなくなる」
「もう終わりにしたいんだ」
「この集落から、誰か一人はお縄をつけて出さなきゃならなかった」
村自体も限界集落に近い。
何もかもなくなろうとしている。
奥西は本当に冤罪だったのか、映画は追求しない。
ただ眠る村を映し出すだけなんです。
本多俊之の眠るような、不気味なサックス・ソロが素晴らしかったです!!