everyday

愛知県の主婦の日常雑記

Pages for Khafka

高3息子がコタツ(うちはまだ出ています)で寝落ちしそうになったので嫌がらせに英文を朗読してやったらこれが思いの外グッとくる文で、今日いちばん記録しておきたいことになっちゃったので書いておきます


ポール・オースターフランツ・カフカについて書いた文。
だから難解になっちゃうのはしょうがない。
わかったようなわからんような。
そこがいい。


Pages For Khafka
Paul Auster,1974


He wanders. On a road that is not a road, on an earth that is not his earth, an exile in his own body. Whatever is given to him, he will refuse. Whatever is spread before him, he will turn his back on. He will refuse, the better to hunger for what he has denied himself. For to enter the promised land is to despair of ever coming near it. Therefore he holds everything away from him, at arms length, at lifes length, and comes closest to arriving when farthest from his destination.

ノンシリコンシャンプーの値崩れ感に吃驚した

今日ドラッグストアでシャンプーを物色していたんですが、ノンシリコンシャンプーがいつの間にか随分値下がりしていて驚きました

5年くらい前でしょうか、出始めの頃はもっと高かった記憶があります
ダイアンとかジュレームとか、一本1000円前後したような。それからLUXのルミニークでしょうか。いずれにしても一本980〜798円レベルではあった

それがさっきドラッグストアでは
サロンスタイルのノンシリコン
シャンプー&コンディショナーセットが
798円

プロモーションとはいえ
2本で798円か…
という感はあります

それと同時に
サロンスタイルという量販ブランドが
ノンシリコンに突っ込まれるようになったんだなあ、という驚きがあります
昨年だったか、いち髪もノンシリコン化しましたが
あれは従来のいち髪はそのままに
高級ラインとしてノンシリコンラインを投入してるのがよくわかったので
ノンシリコンてのは新たな売上げUPの源泉となるのかなあと思っていたんですよ、私は
でもサロンスタイルでしょ?
今日特設棚で大々的に売ってたよ?
従来品もそのままなんだろうけど、あの目立たせぶりじゃわからないし
よしんばプロモーションが終わったらプロパー1本798円で売るつもりだろうとは言え
サロンスタイルが大々的にノンシリコン化したというのは大きいですよ
ノンシリコンの(ちょっと)高級イメージが崩れるきっかけになりそうな気がします
既にメリットピュアンとか、CLEARとかのプロモーション品が見切り品で「更に30%OFF」の値札つけられてるのを散見するので、イメージ崩れは始まってるんでしょうがね

こうしてノンシリコンシャンプーも値入れが低い商品になっていってしまうんでしょうか
大量に求められるものは価格が安くなる、という
経済の大原則を目の当たりにする気分で、面白いです


私はこれが好き

土井武夫展

各務原航空宇宙博物館、企画展「土井武夫展」を駆け込みで見て来ました。

f:id:machik:20190312060650j:plain

土井武夫とは戦闘機「飛燕」の設計者。
ジブリ風立ちぬ』に出て来た「土井くん」。
今回はパネル展で、その生涯と功績を振り返ります。


1904年、ライトフライヤーの初飛行の翌年、山形市に生まれた土井。
10人兄弟の7番目、幼い頃に父親が急逝、家計を助けながら帝大進学。

7人の航空学科同級生と切磋琢磨。
堀越などが次々に就職を決めていく中、土井は教授の紹介で川崎重工に拾ってもらい、帝大の同期が70〜100円の月給を貰っている中、半額にも満たない境遇の整備工から始める。

つまり土井は就活あぶれ組だったんですね〜

川重で設計の職を得、飛燕を開発、空冷エンジンが主力だった時代に液冷エンジンを積んだ飛燕はそのスピードと旋回性能で日本空軍の主力となり、3000機を生産。飛燕は本土防衛、南方戦線に活躍。

戦後日本は航空機開発をGHQによって禁じられ、土井は解雇される。苦難の日々。
職安で英字新聞読んでたら「英語が読める奴がこんなところ来るんじゃねえ」と揶揄されたことも。

やがて航空機業界に復帰、YS-11の開発などに携わり、名古屋大学名城大学で教鞭を取り、96年逝去。
今回一番心に残ったのが名城大学時代の話。

f:id:machik:20190312060613j:plain

「1973年、まだ学生運動の激しかった時代、学生部長就任半年で土井は学生のマイカー通学の全面禁止を決めてしまう」


鬼の学生部長!!こええ!!!(笑)

塾を使える子、使えない子

中学生向けの学習塾は個別指導が主流になりつつあり、うちの子も例に漏れずそうした塾に通っている。
個別は普通、わからないところをきめ細かく聞ける指導がウリである。


しかし、うちの子はこれをうまく活用できなかったみたいだ。
数学の躓きを放置。先生に聞いても理解に至らず、別の日に聞いて解決ということもできず、引っ込み思案なのか、本人に尋ねたら「先生忙しそうだから聞けない」という答えが返ってきた。


これを塾の怠慢とみるか子の不運と見るか。金とってるなら当然わかるまで教えてくれよ、というのが通常の保護者の主張であろう。しかし塾も商売である。20歳になるならずの大学生を安い賃金で抱え込んで講師として使う。良心的な塾なら生徒一人ひとりの面倒を見てくれようとするだろうが、昨今の労働事情を見て塾だけにそんな期待が懸けられようか?


勉強がわかるわからんってけっこうこういう運不運が左右する。これを不運という言葉で片付けられないように、次どこかの塾にお世話になる時は、子に合う合わないをほんとうに熟慮して決めなくちゃいけないなあと反省している。

Tell Me

Tell Me

公立直前徒然

中3娘が10日に受けてきた新統テスト「公立直前模試」の結果がもう帰って来た。あまりに早くて驚く。この時期一刻も早く結果を送ろうとしてくれる新統に感謝。でもまあ母数が少ないのもあるだろう。受けたのは5千人余り。ちなみに1月の全県模試は受験者約2万8千人だった。

その全県も結果が帰ってきたのは先週だ。規模が大きくて答案が揃うのが遅くなるのだろうか。

この時期の高校受験ナビは面白い。「内申○○なら当日何点とれれば合格ですか?」という質問が乱舞する。トップ校の掲示板でもそうなる。別にトップ校受験者だろうが、精神が幼いのには変わりない。

対して不人気校の掲示板は全然盛り上がらない。もう残酷なくらい差が出る。人気校の掲示板は毎日数件の書き込みでどんどんログが流れていくのに、いわゆる滑り止め校は、ちょっと前の書き込みが数カ月前だったりしてびっくりする。私は東海地方が地元でないのでいろいろ情報収集をしているが、こんなところからもわかるものか、と思う。

f:id:machik:20190221203318j:plain
名鉄神宮前駅跨線橋から。かつて開かずの踏切があったところ

『眠る村』

 『眠る村』観て来ました。中3娘に「こわいからいやだ」って逃げられたので一人で。ちぇっ。

f:id:machik:20190215195354j:plain

 名張毒ぶどう酒事件。あまりにも有名な、冤罪を疑われている事件。犯人とされた奥西勝元死刑囚は、何度も再審請求を拒まれながら89歳で無念の獄死。この映画は事件から57年経った昨年、制作されたドキュメンタリー映画です。

https://youtu.be/qlZEBE7dfvM

 山奥の村で何があったのか。カメラはひたすら人々の話を追う。娘を亡くした人、姉を亡くした人…当事者は皆年寄りで、その語りの中で「奥西の逮捕はおかしい」と言うのは、村から少し離れた立場の人だけ。
 奥西が逮捕されてから、村人達が一斉に奥西に不利になるよう証言を変えたという。何故変えたのか。マイクは追求するが村人は「もう覚えとらんねえ」と語るばかり。

 「あと五年、十年するとあの事件を覚えている者は誰もいなくなる」
 「もう終わりにしたいんだ」

 「この集落から、誰か一人はお縄をつけて出さなきゃならなかった」

 村自体も限界集落に近い。
 何もかもなくなろうとしている。

 奥西は本当に冤罪だったのか、映画は追求しない。
 ただ眠る村を映し出すだけなんです。


 本多俊之の眠るような、不気味なサックス・ソロが素晴らしかったです!! 

久保田竜子「英語教育幻想」感想

 英語教育に長く携わってきた研究者である筆者が、その中で見受けられる多くの「幻想」を、知見からぶった切っていく本です。

英語教育幻想 (ちくま新書)

英語教育幻想 (ちくま新書)

幻想1 アメリカ・イギリス英語こそが正統な英語である→世界英語では中心円=米英・カナダなどの人々は6%に過ぎない。多数派は正統でないと言えない。ただ評価・評定の基準をどうするかという問題はあり得る。

2 ことばはネイティブスピーカーから学ぶのが一番だ→ネイティブの定義の不明瞭、アジア系カナダ人が自分をネイティブと認識していても他人からは非ネイティブと認識される現状。ネイティブ偏重の雇用状況。一方非ネイティブの優位性もある。英語をいかに非英語圏の人間に教えるか、をよくわかっているからだ。

3 英語のネイティブスピーカーは白人だ→知識の中のレイシズム。非白人性は、実際どうあろうと、非ネイティブのイメージと重なる。ジャック&ベティが醸し出す「豊かな白人のアメリカ」への憧れ。

4 英語を学ぶことは欧米の社会や文化を学ぶことにつながる→実際は80年代日米同盟強化に伴う米国との関係強化。また、英語は受信時は世界=欧米だが、発信時は世界=世界中と誤認しやすい。「敗戦直後の教科書Jack and Bettyが米国の歴史・習慣・白人中流階級の生活などを美化してアメリカを描いていたように、日本人としての自覚を持って発信する『日本文化』は理想像を飾りつけたものである可能性が高いのです」

5 それぞれの国の文化や言語には独特さがある→英語は論理的、日本語はあいまいという言説は本質主義の助長であり文化の美化。「日本人論」ブームに影響された見方。また書く場合だが、書く能力には英語・母語を超えた構成能力が必要であり、日本人の英語だから非論理的だという主張は正しくない。

6 英語ができれば世界中誰とでも意思疎通できる→有用だが限界がある。商社駐在員の調査では現地語の方が有用であったり、日本語だけでOKだったり。コミュニケーション・ストラテジーを駆使できれば問題ではない。

7 英語力は社会的・経済的成功をもたらす→統計的に有意ではない。財界ひいては英語教育業界が新自由主義に則って個人の資質=英語力があれば成功!と煽っている

8 英語学習は幼少期からできるだけ早く始めた方がよい→たとえばアメリカに移民した場合など、第二言語としてなら幼い方が良い場合も。外国語としてインプット・アウトプット共に少ない場合は早期からの有利さは証明できない

9 英語は英語で学んだ方がよい→教室の大勢の生徒が母語に頼ってしまう場合などは英語オンリーにした方がよい場合もあるが、母語を活用し補助した方が優位であると考える。多様性評価の観点から推奨されるトランスランゲージングにも沿う考え方

10 英語を学習する目的は英語を使うことである→英会話学校を見ると趣味・余暇として通う人が多い。英会話講師に擬似恋愛をしている人もいる。消費としての学びは悪いことではない。実用を超えた情緒的な側面も評価されるべき


 という内容でした。
 英語教育と一口に言いますが、色々な問題を孕んでいるということに気づきました。特にレイシズムの問題と絡まっていることは発見でした。「小さいうちから学ぶと発音が良くなる」世界英語、共通語としての英語が氾濫する中で欧米の発音に阿ってどうするのか。正統な英語って何なのか。ネイティブって白人なのか、実際に英語教師として外国人を採用する場合白人に偏る現状がある、そもそもネイティブって何なのか。英語をバリバリ話す=成功者イメージは財界からの肩入れもあり、レイシズムの裏付けもついています。
 英語を学ぶ意味を落ち着いて考えさせる良書でした。