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愛知県の主婦の日常雑記

読書記録

子どもの王様 (講談社文庫)

子どもの王様 (講談社文庫)

殊能センセーの著作で唯一読んでいなかった作品。読むと、私の中の殊能が終わってしまいそうで嫌だった。最近、ほんとにふと、そろそろいいか、と思ったのだ。潮時かな、と。Reading Diaryっていう高い山もあることだし。
で、読んだ。中2娘は「怖かったよ!」と絶賛していて、結果、怖かった。まあ同じミステリーランド神様ゲーム(麻耶雄嵩)の方が怖かったけど、殊能センセーの怖さはまた別。
ヒーローの元ネタがワーグナーのオペラだったりするところは変わらず殊能節。
主人公の将来が心配。

あとがき「わたしが子どもだったころ」が沁みる。子供を持つことがなかった殊能が子供の為に書いた文章。自らの子供時代を見返し、いつものようにフラットに書こうとしつつも、隠し切れない郷愁や愛惜が滲んだ噛み砕かれた文章は、殊能にしては珍しく湿っているように思えた。それは本編にも言えることで、やはり子供向けだからだろうか、ふだんよりちょっとやさしい殊能センセーがそこにいるのだ。近いうち読み返そう、と思った。