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愛知県の主婦の日常雑記

卒業式

 結論から言うと、15の春は思ったより悪いもんじゃなかった。

 受験の話ではない。卒業式である。
 私は中学の卒業式をしていない。いやしてはいるのだが、中高一貫校なので、まったく形式上のものだった。15歳でみんながバラバラになった経験はない。
 いわゆる思春期である。皆が、(見かけ上はどうあろうとも)リリカルで繊細な心を内に秘めている。その心にこの旅立ちはどう響くのか。長ければ幼稚園、保育園時代から10年以上いっしょだった彼らが初めて袂を分かつのだ。「地元」という括りを出ることへの戸惑いか惜別か、学校を出て隣の河川敷に移動し、最後に笑いながら記念写真を撮りまくる彼らが解散するのは遅かった。この寒い日に。土手で。風速10mを超す突風が吹き付けてくるのに。
 でも空は青かった。突き抜けるほどに。真ん中を切り裂いて飛行機が飛び立っていく。善き日になってよかった。