everyday

愛知県の主婦の日常雑記

Bohemian Rhapsodyを観て来ました(今さら)

 今さらながら観て来ました。
 QUEENは母が大好きで、購入したてのVHSでBEST HIT USAからビデオクリップを録画しては繰り返し見ていました。私が10歳くらいの時です。曲はCrazy Little Thing Called LoveとかRadio GAGAとか、ソロ名義のI Was Born to Love Youとか。だから私しっかりと刷り込まれてまして、例えばDEEP PURPLEとZEPPELINだったらどっちが好きとか言う話は出来るけど、QUEENは好きとか嫌いとかじゃなかったりするんです。

 フレディが亡くなった時はほんとに茫然としたものです。数日前にエイズを公表したんですよ確か。でショックを受けているうちにあっと言う間の訃報。何故だか高校で皆とその新聞記事を見ている記憶があります。持っていったのかな。
 翌92年のトリビュートコンサートはVHS買いました。今もあります(見たいけどデッキがなくて見られなくてYoutubeで見てる)その頃は既にHR/HMファンだったから、METALLICAとかガンズとかEXTREMEとか、豪華ラインナップに喜んだものです。

 で映画です。感想は

「音楽スゴい!
 映画としては大味!」

 結局、最初から物語はわかってるんですよね。その理想的な形をつくってくれた、という印象でした。長い年月の物語、やはりダイジェスト的にならざるを得ないです。ただまあ洋画って結構こんなもんじゃね?と私は思いましたが、一緒に見た旦那はダメだったみたい。
 ただフレディの圧倒的な孤独は伝わって来ました。孤独でも力が出るのか、孤独だから力が出るのか。
 いずれハンマーが振り下ろされるから今を生きろ…そんな歌詞だったんですね。勇気が出ました。

 音楽は本当にすごかった。
 今さら言うまでもないがフレディのあの、パワーそのものみたいな、たまに舌っ足らずな歌声が劇場で大音響で聴けて良かった。
 最後Don`t Stop Me Nowで明るく締めるのかと思ったら、The Show Must Go Onに変わったところがキた。反則だと思った。もうやらないかと思ってたら、やっぱりやるか。泣いちゃうじゃないか。畜生。

 英国では新事実が出てない、という理由でこの映画にダメ出しをする人も多かったみたいですが、私はいいんじゃない、と思います。
 虚実取り混ぜ、映画化することで、QUEENは更にトリックスターになった印象があります。現実と虚像の狭間を生きろ。すごいなあ。


The Show Must Go On

The Show Must Go On

  • クイーン
  • ロック
  • ¥250

旧中村遊郭街・旧駅裏

大ナゴヤツアーズに参加して来ました

http://dai-nagoyatours.jp/article/4204.html

旧中村遊郭跡から名駅西まで、リニア再開発でなくなってしまう情景を見ておこう、というツアーです。

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中村遊郭大正12年開業、全盛期には200m四方の敷地内に2500人の娼妓がひしめき、戦中の衰退を経て、昭和20年から33年の売春防止法まで続きました。

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現在でも道の形、区画に郭の跡が残りますが、遊郭建築は数件に留まります。べんがらの紅い壁をした「旅館 稲本」がつい最近取り壊されてしまったようで、もっと早く来るんだったとちょっと悔やみました。

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そこから駅西へ。旧駅裏です。戦後闇市が立ち、治安が悪いと言われ続けた、古い建物が残る雑多な町並みは、いずれ喪われようとしています。

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名古屋市で最も高齢化率が高く、最も平均所得が低い中村区。私は、都市の寛容そのものであるこういう地区が大好きです。再開発があっても、ここの人に住みやすい街であり続けて欲しいと願います。

山本直樹公開講座@名古屋造形大学 2018,6,7

 2018年6月7日、山本直樹公開講座@名古屋造形大学のレポートです。

 聞き手は舞草つよし氏。『レッド』立ち上げ編集者で、現在名古屋造形大で教えている方だそうです。「マンガとエロス」との演題がついておりますが、時間にして半分以上が質疑応答でした。そんな中で山本氏が最初に掲げたのがこれ


①「フィクションと現実の問題」

 フィクション=ことば・言語→創作、マンガ、小説、演劇、ゲーム、イデオロギー、宗教、スポーツ

 グレイゾーン→ノンフィクション、プロレス、芸人

 現実→ふつーにくらす そしていつか死ぬ

 スポーツもフィクション。勝ち負けもフィクション。現実で負けたから殺されるわけではない。
 笛が鳴ったあと突っ込んでいくのはフィクションではなく暴力(日大問題)

 グレイゾーンの芸人のエピソードトーク。見てて危なそうな綱渡り。

 ふつーにくらすことは「ふつーのくらし」ではない。どこかに「ふつーのくらし」というものがあるわけではない。

 フィクションと現実の混同の例がすごくいっぱいある。日大アメフト、エロマンガの規制問題、連合赤軍。「ふつーにくらして死ぬ」より大事なものがある、のは混同であり原理主義。ふつーにくらすよりことばの方が大事になっちゃう→究極のものは戦争


②質疑応答より、印象深かった話

⚪マンガという作業はめんどくさいから得意技でいかないとつらい。あの偉大な井上雄彦先生だってバスケットと剣道しか描いてないじゃないか
⚪これから先webマンガも原稿料が上がると思う。経費がかからないでやれることはないか、とつくってきたものだから今は安いけど、コストがかからないものなので。新人でも8000円以上出せるんじゃないか(舞草氏)
⚪レッドは結局クレームは来なかった。遺族の方からのを一番おそれていたけれど来なかった。クレームって来ないものなのか、と思った
⚪当事者から話を聞くととても面白い。戦争から帰って来たおじいちゃん、みたいな
⚪アマゾンにくたらしいからあまり買いたくないけど買っちゃうんだよねー
⚪自分を切り取るマンガ描いても元気なのは女性。西原さんとか伊藤理沙とかすごい。男はダメになっちゃう。福満しげゆきとか(→この話を聞いてうちの旦那は「よく読んでるなあ」と言った)
⚪レッドの受賞パーティーをフーターズでやった時に乳児を抱えていた伊藤理沙が「おっぱいのほんとうの使い方を見せてやる!!」と言いながら授乳していた
⚪(描かないようにしているこだわりは?という質問に対して考えて)政治的なものは描かないようにしている。(ここで山本夜羽音と違って!とつけ加えたのが面白かった)それを持ち込んで面白くなるなら描くけどそういうものが思い付かない。面白いものしか描きたくない
⚪うまい話をうまく読まされても「ああ、うまいねー」で終わってしまう。小さくてもいい、新しいものが読みたい。ワケわかんないものが好き。
⚪あらゆる本、マンガ、映画、友達。いろんなものを見なさい。影響を受けるのを恐れちゃダメですよ。いろんなものを吸収した上でたまに出て来るのがオリジナリティというものだと僕は思います
⚪マンガ家になることへの葛藤はなかった。昔レオナルド熊がテレビで「⚪⚪になるにはどうしたらいいですか?」と問われ「ほかの道あきらめちゃえばいいんだよ!」と言ってた。当時20歳くらいだからあっそっかー、って思っちゃった。そういう意味でもいろいろ読みましょう。そういうことばをいろいろ集めてたんじゃないかな、フィクション、嘘っぱちを


③個人的にうれしかった話
 
大田区産業会館というパワーワードが出てきた。氏が大学生当時コミケはここでやっていた。私はオンリーとかで中学の頃よく行ったよ
⚪『演歌なあいつは夜毎不条理な夢を見る』の話が出て来た。レッドを連ドラ化しよう!と嘯く大塚恭司氏が92年に手掛けたテレビドラマ。私にとっては好きなバンドのメンバー(METROFARCEの伊藤ヨタロウ)が出ていたので、視聴はできなかったけど、思い出に残ってるタイトルである。山本氏の『君といつまでも』や、氏の好きな大人計画の音楽をけっこうヨタロウ氏が担当しているので、繋がってるんだろうなあ、と思うと嬉しい。


 以上です。
 山本直樹を読むようになったのはまんま旦那の影響だと思う。旦那は市井のマンガ評論家を標榜し、氏の『のんきな姉さん』を題材にしてガロのマンガ評論新人賞で入選したことがあるのです。(ここ本人のリクエストにより書いております)
 山本作品には冷徹な現実への視線、というものが通底してあると感じていましたが、氏自身が「フィクションに相対する現実」を非常に意識しているということがわかり、なんか納得したのでした。

 サインいただいたよ!(旦那のリクエストでね!)




このタイトルの作品もあったよね

中川運河クルーズ

 5月4日になるが、名古屋市中川運河を通る水上バスに乗って来た。

 称して「クルーズ名古屋」。ささしまライブから出て、ガーデン埠頭など寄りながら金城埠頭まで行く便である。
 船は隅田川なんかのよりずっと小さく、船内観光アナウンスもあまりなく、係員の兄ちゃん達が運転しながらがっはっはと笑っている声だけがやたらに響く。はっきり言ってサービスはあまりなってない。

 ので、自分で楽しみを探す。現在地を、Googleマップ昭文社ポケット地図とを突き合わせで確認しながら、リーフレットに掲載されている見どころを探す(それらを全部案内する船内アナウンスはないのである)。南方貨物線の橋梁跡を見逃したのは心残りだ。

 中川運河はお世辞にも綺麗とは言えない。土っぽく汚れた、流れのない運河は生活に直結していて、今はもう廃れた水運業の跡を見ながら進むのはなかなかに楽しい。産業の変遷を思う。

 パナマ運河と同じ形式の通船門を抜け、湾に出るのがハイライトだった。運河から海である伊勢湾に出るのに二段階の門を設け、水位を合わせてから出るのである。狭い構内で水位が上がるのを待っている間、鴎達が両岸にお行儀良く並んで見守っている。どうして彼らはそんなことするんだろう。不思議。

 海に出たときの解放感は格別。左に新日鉄の工場を見ながら突き進む。名古屋港に設置されてる、南極観測船も今日は同じ高さ。

 金城埠頭に到着、面白いものを見る。電車が船に積まれている!どうやら輸出の準備らしい。遠い異国に行っても頑張ってくれよ。

 埠頭では同行の高2長男と小5次男はレゴランドには目もくれず、そのまま名古屋に出るべくあおなみ線に乗車。(ちなみに鉄道博物館はもう3回くらいは行ってるので今回はスルーしました)

 あおなみ線ではまた楽しみが多く、貨物駅への分岐を探したり、その貨物駅がどうにも見覚えがあると思ったら私が4月に散歩して気になって歩道橋から写真撮ったまさにその場所だということがわかったりして、最前にへばりついて見た甲斐があったのでした。

 初めてささしまライブ駅で降車。JR、近鉄名鉄、新幹線がひっきりなしに見えるなかなかの撮り鉄スポットでした。愛知大学内フードコートのスガキヤでごはん食べよう!…と盛り上がっていたのにGW中で閉まっていて残念。隣のすき家とおにぎり処多治はやってたのになあ。モスバーガーに寄りました。
 
 そうしてゲーセンで翌日の電車でGO!ゼロピタ選手権の練習をしている時に、濱崎さんから連絡をいただいて、特訓へと漕ぎ着ける訳です。

 充実した良い連休でした。

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電車でGO!!ゼロピタ選手権

 昨日はイオン大高で「電車でGO!!ゼロピタ選手権」。FBで繋がった濱崎さんがゲストでいらっしゃると言うので背中を押されてエントリ(息子が)、抽選に当たったが、筐体は名古屋市内・各務原イオン・MOZOくらいにしかなく如何せん経験値不足。参加者もおにいさんだけだろうし足を引っ張ったら恥ずかしい、辞退しようか…と悩んでいたが、前日現地入りした濱崎さんと名古屋のゲーセンで特訓の機会を得、なんとか参加に漕ぎ着ける。
 緊張はしてるし、お昼は大急ぎだったし、トイレも行ってないけどいいかな、大丈夫かなと心配になる。しかし息子はチームメイトになったおにいさんたちといっしょに別席へ。あとはもう見守るだけ。おにいさんたちがたくさん声をかけて、見てくれているのが見える。ありがたい、いい人たちだ…。

 チームは3人編成で、それぞれ停止位置からの誤差を測定し、合計が最も少なかったチームが優勝。息子のFチームは最初のにいさんが-0.2cm、息子が+4.3cm、次のにいさんが+1.4cmの高成績!!暫定一位!!
 結局優勝は逃すが差は1.8cm。二位でした!ありがたいことだ…

 エレクトーンをやっているので発表会などで緊張には多少慣れているが、これはまた別だったろう。練習では誤差30~120cmとか出していた中、ひとりで挑んで4.3cm出した息子は立派だったと思う。いや真面目な話、親バカだし対象はゲームではあるけど、親の手を離れて皆さんにお世話になって、遣り遂げてくるって成長のワンステップに見えたよ。良かったよ。
 (あとはもうちょっと冷静に人の話聞く人間になって欲しいものである)

 実況・解説をしてらした濱崎さんが息子を「六番目の弟子」って言ってくれて、記録が出た瞬間立ち上がって喜んでくれた。本当にお世話になりました。ありがとうございます。

あとプレイヤーの皆様。チームでお世話になったにいさん達始め、大会の様子を記録して逐一Twitterに上げてくれた人、息子の写真を撮っていて送って来てくれた人。しかもみんなリプライが丁寧で親切なんです。ありがとう。素敵な皆様に乾杯です!

真島直子展『地ごく楽』

もう半月前ですが、中3娘にせがまれてこの展覧会行って来ました。

感想はブログの作者さんと同方向。
予想以上に凄かったんです。

このブログの3枚目にある写真、無数の鯉をモチーフにしたオブジェ。
鯉は生命そのものだと。ひたすら口を空けて凡てを飲み込もうとする、言っちゃ悪いが気持ち悪い姿。
なんでそんなものをこんなに造るんだと。

小さい頃に死生観を揺るがす体験をし、芸術家で変わった親に育てられて、世の中に違和感を抱きながら必然的に芸術家になったという真島直子。
その作品は率直に言って気持ち悪いものばかりである。得体の知れない模様を細密に描き込んだバカでかい鉛筆画。骸骨の頬をスパンコールで飾り、毛糸と布をボンドで巻き付けて、作品名は『妖精』。腸や脳もモチーフ。
そんなものをつくる、つくらざるを得ない彼女の生き様がどうしようもなく伝わって来て凄かった。
なんでつくるんだろう。つくったもので倉庫がいっぱいになって、こう言っちゃなんだがそれが即お金になるかもわからなくて。でもたぶんつくらなきゃ生きていけないんだろうな。駆り立てられて。時間を費やして。人生遣って。
そういう人、artifactをつくる人こそがartistなんだなと思う次第である。

図録買っちゃったよ(笑)
ちなみに娘は途中から気持ち悪くて辛かったと言ってましたよ(笑)

http://www.arthajime.com/writers/?p=8723

受験勉強、なるもの

 中3娘が学校から高校入試対策の問題集の申込書をもらって来て、たくさんの先輩がやって来た定番のやつらしくて、見ていてなんか楽しそうだなーと思った。その一冊をやっておけば確実に力がつくという、言わば勝利が約束された戦い。そういうシンプルな世界ちょっと羨ましいなーとか今になって思う。


 現役のときはとにかく受験勉強が嫌で、無条件に大学受験に突っ込んでいく(ように見えた)周りに馴染めず学校を休んだりした。今もいい学校に行けるより、生き抜いていける人間になる方が先だという思いは変わらない。でもそれはそれとして、やれば勝てる戦いっていいよね、とか思っちゃうのは、正解なき世界に生きる大人の郷愁なんですかね(笑)

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